ミャンマーはビルマに変わるのか?

 

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ミャンマーで総選挙が行われ、アウンサンスーチー女史率いる「国民民主連盟」が勝利し、政権交代が行われる見通しです。

アウンサンスーチー女史は以前からミャンマーの民主化を求め、軍事政権に何度も自宅軟禁されながら、国内に民主化を訴えてきた方です。

今回与党を率いたテイン・セイン大統領が就任してから、スーチー女史への取り扱いが比較的緩やかになり、選挙前にはこの結果はある程度予測されていただものでした。

ただし、やはり「政権移譲」というのは、既存組織にとって多大な影響があり、ミャンマーのような発展途上国であれば選挙結果をひっくり返すことなど難しいことではなく、ふたを開けてみなければ分からないという状況です。

しかし昨日テイン・セイン大統領が選挙での敗北を認め、平和裏に「政権移譲」が行われるようです。

今回テイン・セイン大統領率いる与党は、町の有力者や知識人などそれなりにしっかりした人が立候補していたと聞いています。

対してアウンサンスーチー女史側は、「政権交代」を目標に掲げ、どちらかというと政治に疎い人たちも多く立候補していたようで、政権移譲が行われてからも、そのような烏合の衆をスーチー女史がどのようにコントロールしていくかが大事になります。

しかしこのような烏合の衆であれ、国民が「政権交代」を望んだのは、よほど長い軍政下での政治に辟易していたのでしょう。

これはミャンマー国民の求めた結果なので、素晴らしい未来を祈るしかほかないです。

 

片方で、このような「平和裏な政権交代」を遂行してきた現政権のテイン・セイン大統領も、称えられるべきでしょう。

シリアやリビアなど、政権を倒すことが「国内紛争」を引き起こすことが多々ありながら、素晴らしい引き際です。

 

日本もかつて「明治維新下」では、江戸城無血開城など「国内紛争」を避けて平和裏な政権移譲が行われました。

ソビエト連邦下での最後の大統領、ゴルバチョフも同様です。

ながく政権下に置かれたものが、その権利をきれいに手放すことは簡単そうで、本当に難しいです。

スーチー女史とともに、テイン・セイン大統領も称えられるべきでしょう。